文献詳細
特別講演 Pierre Pichot教授来日講演
文献概要
I.はじめに
うつ病に対する積極的な治療の発見はまず電気ショック療法,次に主として三環系とMAO阻害剤を代表とする抗うつ剤によってもたらされたが,このことが,第二次世界大戦後,うつ状態の研究に対する興味を復活させた。治療効果は,すべてのうつ状態において必ずしも同一ではないので,うつ状態の疾病分類学研究を,従来以上の精密度をもって再開することが不可欠なことは,まさしく自明である。最近の10数年間,この領域に臨床家,心理学者,生化学者,生理学者,遺伝学者が参加して著しい進歩がもたらされた。現在までに得られたと思われる成果を,大筋にそって,この論文の中で紹介したい。
うつ病に対する積極的な治療の発見はまず電気ショック療法,次に主として三環系とMAO阻害剤を代表とする抗うつ剤によってもたらされたが,このことが,第二次世界大戦後,うつ状態の研究に対する興味を復活させた。治療効果は,すべてのうつ状態において必ずしも同一ではないので,うつ状態の疾病分類学研究を,従来以上の精密度をもって再開することが不可欠なことは,まさしく自明である。最近の10数年間,この領域に臨床家,心理学者,生化学者,生理学者,遺伝学者が参加して著しい進歩がもたらされた。現在までに得られたと思われる成果を,大筋にそって,この論文の中で紹介したい。
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