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文献詳細

雑誌文献

精神医学20巻6号

1978年06月発行

研究と報告

うつ病の経過後巫者となった1症例

著者: 木戸幸聖1 永島正紀1 有高謙一1

所属機関: 1日本大学医学部精神神経科教室

ページ範囲:P.619 - P.626

文献概要

 4カ年にわたり遷延したうつ病相の経過後に神秘体験の出現から巫術を身につけるに至った中年女性の1症例について報告した。
 患者は,魔を払う「オクジ」を授かることを信仰の深さのしるしとみなす某宗教の信者であり,超自然的存在と人との係わりあいを信じる特殊な神秘的宗教観が,病像,症状の起伏,治癒機転に反映した。また,神秘体験の出現と巫者への発展の背景には,うつ病体験を独特の宗教観で意味づけようとする態度と巫者への傾斜に親和性をもつ特異な性格傾向および家系的素地が認められた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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