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てんかんとCranial Computed Tomography(CCT)—脳器質性精神障害にもふれて
著者: 石田孜郎1 和田豊治1
所属機関: 1国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)
ページ範囲:P.692 - P.708
文献購入ページに移動Ⅰ.新しい脳検査法としてのCCTスキャン
考えてみると,脳コンピューター断層撮影法(Cranial Computed Tomography=CCT)は,1895年のレントゲンによるX線発見以来の革命的な発明であろう。そして従来の脳検査法がもつ欠点を一気に解消したかにみえる―。
これまでわれわれが用いることができた脳血管写や気脳写は,血管系あるいは脳室系の病変に対しては直接的な情報を提供するが,脳実質内病変については不可能であり,血管系あるいは脳室系の変化から間接的にその病態を推測するしかなかった。脳シンチグラフィーすなわちアイソトープスキャンは,放射性物質の人体への影響あるいは取扱い上の煩雑さを伴い,この点では脳血管写や気脳写同様に必ずしも手軽な検査法ではないし,一方その得られた像そのものはmassとしての脳を一断面に投影したもので,局所的な病変把握には難点があった。
考えてみると,脳コンピューター断層撮影法(Cranial Computed Tomography=CCT)は,1895年のレントゲンによるX線発見以来の革命的な発明であろう。そして従来の脳検査法がもつ欠点を一気に解消したかにみえる―。
これまでわれわれが用いることができた脳血管写や気脳写は,血管系あるいは脳室系の病変に対しては直接的な情報を提供するが,脳実質内病変については不可能であり,血管系あるいは脳室系の変化から間接的にその病態を推測するしかなかった。脳シンチグラフィーすなわちアイソトープスキャンは,放射性物質の人体への影響あるいは取扱い上の煩雑さを伴い,この点では脳血管写や気脳写同様に必ずしも手軽な検査法ではないし,一方その得られた像そのものはmassとしての脳を一断面に投影したもので,局所的な病変把握には難点があった。
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