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文献詳細

雑誌文献

精神医学20巻9号

1978年09月発行

研究と報告

向精神薬長期服用患者の剖検でみられた肺動脈血栓,肺梗塞について

著者: 荻田和宏12 中野嘉樹12 河内泰彦12 古賀良彦3 伊藤斉1 山口寿夫4

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室 2財団法人井之頭病院 3杏林大学医学部精神科学教室 4慶応義塾大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.989 - P.997

文献概要

Ⅰ.序
 1952年のCPZ脚註)の精神科治療への導入以来,20余年が経過し,その間多数の向精神薬が開発され,臨床に供されている。他方,向精神薬療法の多様化と平行して,副作用の報告も莫大な数に達し,現在は薬物療法が有効性,毒性の両面から再検討される時期に至っているといえる。
 ところで,向精神薬の重篤な副作用の1つとして,静脈血栓,肺血栓,肺梗塞が欧州中心に多数報告されているが,われわれの知る限り本邦では報告がない。われわれの勤務する精神病院では20数年来,精神病患者の剖検を行なっているが,最近10年間に8例の肺動脈血栓,肺硬塞による死亡例を経験したので,ここに症例報告するとともに,若干の検討を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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