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短報
分裂病様状態とEEG-Spikeが交替性出現を示した1例
著者: 細川清1 山本光利1 黒田重利1 井口欽也2
所属機関: 1岡山大学医学部神経精神科 2向陽台病院
ページ範囲:P.1015 - P.1017
文献購入ページに移動てんかんにおける挿間症のなかで,Landolt1)の治療による強制正常化は,脳波所見が改善されるのに,かえって不機嫌をはじめとする多彩な精神症状を逆に来すことで良く知られるようになった。一方非定型精神病にも,てんかん性要因2)が認められ,病期にかえって棘波をはじめとするてんかん性異常波が抑制され,解離期に逆に出現することがあり,著者3)らの教室で以前症例報告をしたことがある。
脳波上の強いてんかん性異常波,すなわち棘徐波に限らず,徐波の群発や徐波成分の多寡と精神症状が逆の相関を示す,いわゆるシーソー現象は木村4)が興味ある症例で提出した。
今回われわれは,病初には確かにてんかん性けいれん発作を有したが,間もなくoligo-epilepsyの様相を示し,精神分裂病像を比較的長い挿間症として認めた興味ある1例を長期間観察した。そしてこの精神病像の出現と脳波上の多棘徐波結合の出現とが明瞭な交替現象(seesaw phenomenon4))を示すのを確認したので,若干の考察を加え,その次第を報告する。
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