文献詳細
古典紹介
—Gilles de la Tourette—Etude d'une affection nerveuse caractérisée par de l'incoordination motorice accompagnée d'écholalie et de coprolalie—第1回
著者: 保崎秀夫1 藤村尚宏1
所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科
ページ範囲:P.1019 - P.1028
文献概要
しかし,1818年以来,大きな進歩がなされ,舞踏病は,その神経疾病論に完全に助けられて,日日その病的領域は,狭められてきた。そしてこのフランスの老学者が,いみじくも予測して,次のように述べている:《私は,「仮性舞踏病」ないし,「偽舞踏病」原註4)という名称を用いる。これは,痙性,けいれん性,ヒステリー性などの神経疾患の中で,真正舞踏病の特徴的な症状をもたないことで区別されるし,「身体の異なった部分の不随意的な動きと顔面のしかめ顔様のけいれんによって,真性舞踏病と類似していない」》と。このような,Bouteilleの研究を受けついで,この昔の定義を十分に理解しようとすれば,確かに舞踏病群から切り離して,今日では最早舞踏病ではないことをより完全に示すことができるだろう。
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