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文献詳細

雑誌文献

精神医学21巻1号

1979年01月発行

文献概要

研究と報告

ロールシャッハ法による執着性格の研究

著者: 井澤雅子12

所属機関: 1上智大学文学部臨床心理学教室 2順天堂大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.79 - P.85

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 うつ病者に,軽快時・病相極期にわたりロールシャッハを施行した結果,執着性格をもつうつ病群と類似しながらも,異なるタイプと考えるべき新しい一群(A群)を見出した。この一群は,基礎性格に執着的要素を混じえながらも,neuroticな要素などが混入した非定型群とでもいうべき一群であり,ロールシャッハからは規範的なものに縛られている一方,感情統制機能の弱さ・対人不安・男性的役割のとれなさなどが示唆された。臨床的にみると彼らの場合,家の中での役割に執着しながらも役割を荷ないきれていないところに問題が発生しやすく,生活史的には父親的役割をもっ養育者に恵まれない一方,長子としての期待を背負わされていた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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