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文献詳細

雑誌文献

精神医学21巻10号

1979年10月発行

研究と報告

某高校女子生徒に発生した集団ヒステリーについて

著者: 清水信介1 小山司2 河野雅子2

所属機関: 1室蘭工業大学保健管理センター 2北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1085 - P.1091

文献概要

I.はじめに
 昭和52年夏,北海道内の某高校女子生徒のあいだで過呼吸症候群が集団的に発生するという事例がみられた。これはマラソン大会,体育授業などの機会に生じた一女子生徒の過呼吸発作を契機として,それと同様の発作が他の生徒にも発現し,次第に集団的,連鎖的に発症する傾向を示したものである。
 われわれは学校側からの要請に応じて治療的な接近を試みるとともに,面接調査,心理検査等を実施し,さらに1年近くにわたり経過を観察した。これまでに集団ヒステリーについては,村上8),宮内ら6),黒田ら4)をはじめとしていくつかの報告があるが,本事例は日常の学校生活を中心にして起こり,しかも散発的な発作を含めると約1年の長期にわたっている点で興味深いものである。
 本稿では,この過呼吸症候群を呈した集団ヒステリーの発生状況や調査結果等について報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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