文献詳細
研究と報告
特異なPost-Traumatic Amnesiaについて—Concussion Amnesiaの3例
著者: 森俊憲1 加藤秀明2 加藤稔34 吉田弘道1
所属機関: 1犬山病院 2岐阜大学神経精神科 3須田病院 4現所属:ヒダ神経科クリニック
ページ範囲:P.1105 - P.1110
文献概要
頭部外傷後,逆向健忘とともに時に外傷後に起こった出来事についても健忘が生ずることが知られている。Russell19)はこのようなpost-traumatic amnesiaの持続期間は,脳損傷の重症度を考慮するうえでの重要な指標になると述べている。しかしながら,外傷の程度が軽微でまったく意識喪失に気づかれないにもかかわらず,その後一定期間内の健忘を生じ,かつその間の行動は正常と思える症例も稀にではあるが報告されている。今回われわれはこのような経過を示した特異なpost-traumatic amnesiaの3例を経験したので,文献的な考察を含めて報告したい。
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