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特集 精神分裂病の生物学
文献概要
精神分裂病の臨床形態は著しく多様で,そのため疾患の概念についてしばしば混乱が生ずる。分裂病の理解のためにはその症状の整理,特に構造化がかかせない。このような努力は古くからなされてきてはいるが(たとえばE. Bleuler2,13)),なお十分ではない。われわれはここ数年分裂病患者および家族がしあす行動異常についていくつかの検索をおこなってきたが5〜12),患者には精神病的症状とは独立の一次性の行動異常(欠陥症状)が存在すること,そのような異常は発病前からみとめられること,また患者と家族には共通の認知障害が存在することをみいだした。ここでは,それらの知見を統合して分裂病症状の構造化をこころみ,かつ分裂病における一次性異常の重要性について論ずる。
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