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特集 精神分裂病の生物学
精神分裂病—精神薬理学の立場から
著者: 稲永和豊1
所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科学教室
ページ範囲:P.1193 - P.1201
文献購入ページに移動I.はじめに
精神分裂病の病因を解明する一つの方法として,抗精神病薬の作用機序を明らかにする方法がある。これは精神分裂病のみでなく,うつ病の病因解明の場合にもいえることである。現状においては抗うつ薬の作用機序のほうが,分裂病治療薬の作用機序よりもかなり明らかになってきているようである。
筆者は今までに臨床神経生理学的方法,臨床精神病理学的方法を用いて抗精神病薬に関する研究を行なってきたが,今日までに得られた結果について述べ,それらの結果から推定される精神分裂病の病態生理についての筆者の考え方を述べてみたいと,思う。
この研究の中に含まれる仮説にはかなり独断的なところもあるかも知れないが,治療的研究にとってはこの種の作業仮説を立てることも必要である。
精神分裂病の病因を解明する一つの方法として,抗精神病薬の作用機序を明らかにする方法がある。これは精神分裂病のみでなく,うつ病の病因解明の場合にもいえることである。現状においては抗うつ薬の作用機序のほうが,分裂病治療薬の作用機序よりもかなり明らかになってきているようである。
筆者は今までに臨床神経生理学的方法,臨床精神病理学的方法を用いて抗精神病薬に関する研究を行なってきたが,今日までに得られた結果について述べ,それらの結果から推定される精神分裂病の病態生理についての筆者の考え方を述べてみたいと,思う。
この研究の中に含まれる仮説にはかなり独断的なところもあるかも知れないが,治療的研究にとってはこの種の作業仮説を立てることも必要である。
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