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研究と報告
両側聴神経腫瘍例にみられた筋活動を伴うREM期
著者: 磯野五郎1 石井弘一2 柴田嘉之3 星昭輝4
所属機関: 1大泉病院 2国立埼玉病院精神科 3国立埼玉病院脳外科 4慶応義塾大学精神神経科
ページ範囲:P.1221 - P.1228
文献購入ページに移動いわゆる筋活動を伴うREM期は,これまでにも動物実験3,6,7)をはじめとして様々な疾患で観察され報告されている。それらの疾患のうち主なものは,慢性のアルコールや薬物中毒2,15〜18,20),ナルコレプシー5,9,13),本態性パーキンソン病10),脳幹の腫瘍例1)などである。本邦では,これらのうち後二者についての報告はないようである。
今回,われわれはてんかんとして治療していたvon Recklinghausen病に両側の聴神経腫瘍を合併した例で,終夜睡眠ポリグラム上筋活動を伴うREM期20)を呈した1例を経験した。そこで,この特異なポリグラムを呈する状態を,これまでに報告された動物実験や種々の疾患におけるものと比較検討したので報告する。
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