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文献詳細

雑誌文献

精神医学21巻12号

1979年12月発行

研究と報告

前頭葉腫瘍の2症例—その精神症状(意欲障害)について

著者: 井坂健一1 横井晋2

所属機関: 1群馬大学医学部精神神経科 2横浜市立大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.1349 - P.1355

文献概要

I.はじめに
 前頭葉損傷患者がしばしば狭義の精神障害と診断されて,明らかな器質性変化の症状を示すまで精神分裂病その他とされて,各種の治療を受けている例は稀ではない。
 Direkzeらは前頭葉脳腫瘍の患者では当初身近かな友人や親族によってはじめて気付かれるような微妙な人格変化を起こす者が多く,彼らの25例中11例はそのような人格変化で始まり,5例は最初精神科病棟に入院していた。1例はアルコールを多量に飲んでおり,計68%の患者が何らかの精神障害を示していたという。Pick病についても同様な観察がある。
 ここに述べる第1例も当初精神分裂病と誤診され,けいれん発作を起こした後に脳腫瘍が発見された。他の1例を加えて右前頭葉腫瘍による精神症状,とくに意欲障害について述べようと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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