icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学21巻12号

1979年12月発行

文献概要

研究と報告

精神分裂病様症状を呈したMarfan症候群の1例

著者: 高橋滋1 相原芳昭1 神岡芳雄2 堀口佳男2

所属機関: 1群馬大学医学部神経精神医学教室 2佐久総合病院神経科

ページ範囲:P.1357 - P.1362

文献購入ページに移動
I.はじめに
 Marfan症候群はクモ状指趾と同時に眼,骨格系,心臓血管系などの中胚葉組織に奇型を来す遺伝性疾患であるが,その成因については諸説があり一定の結論に達していない。
 Weve1)はこの症候群が中胚葉系諸器官の先天性系統的発育障害に起因するもので優性遺伝をなすことを指摘し,Dystrophia mesodermalis congenita, Typus Marfanisと名付けた。
 本症候群に内分泌系2〜4),呼吸器系5,6)などの全身にわたる多彩な症状を合併する例が報告されている。精神・神経症状を呈することはまれで,精神分裂病様症状を示した例は杉本ら7),兼重ら8),上野ら9)の報告があるにすぎない。
 著者らは幻覚妄想,緊張病性昏迷,興奮状態等の精神症状を示し遺伝関係を認めた症例を経験したので,精神症状とMarfan症候群との関連について検討し報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?