icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学21巻2号

1979年02月発行

文献概要

短報

尿中β-フェニールエチルアミン排泄量の増加を示した月経精神病の1例

著者: 中河原通夫1 渡辺明子1 仮屋哲彦1

所属機関: 1東京医科歯科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.202 - P.203

文献購入ページに移動
I.はじめに
 β-phenylethylamine(以下PEAと略す)は,脳内に微量存在しているところからmicroamineと呼ばれている生体amineの一つで,catecholamineに影響を与え,neuromodulatorとして作用することが知られている1)。最近,うつ病患者の尿中でPEA排泄量の減少が2,3),また精神分裂病患者の尿中でPEA排泄量の増加が報告され2),精神障害とPEAとの関係が注目されるようになった。さらにPEAの構造式がamphetamineと類似しており,一方,慢性amphetamine中毒により幻覚妄想状態の出現がみられるところから,PEAと幻覚妄想状態との関連についても興味がもたれている。そこで,われわれは,月経数日前より月経直後まで,不眠,被害妄想を示す月経精神病患者について,尿中24時間PEAおよびdopamine排泄量を測定し,精神症状との関連について検討を行なった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?