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てんかん入院患者におけるDiphenylhydantoinおよびPhenobarbital血清濃度とその日内変動
著者: 風祭元1 菅野道1 花田耕一1 西原カズヨ2
所属機関: 1帝京大学医学部精神医学 2東京大学医学部付属病院薬剤部
ページ範囲:P.251 - P.260
文献購入ページに移動1)1日3回分服の慣用の服薬スケジュールのもとでは,DPHの平均血清濃度は,午後から夜間にかけて高くなり,午前9時前後に最低値を示した。同一個人で同一服薬量であっても,血清濃度は日によってある程度のばらつきを示すが,血清濃度の口内変動における上記の傾向はほぼ恒常的であった。
2)primidoneや他のbarbituratesを併用していない患者では,PBの血清濃度はきわめて恒常的で,日内変動はほとんど認められなかった。
3)DPHの服薬量X(mg/kg/日)と血清濃度Y(μg/ml)との間にはおおまかな相関関係がみられ,全例の平均服用量で算出したDPHの血清濃度/服薬量比(Y/X)は,2.28であった。また,血清濃度と服薬量との関係にMichaelis-Menten型の非線型式をあてはめて検討したところ,みかけの最高速度Vmaxは4.4±0.5mg/kg/day,みかけのMichaelis定数kmは1.3±0.8μ9/mlであった。
4)PBでは,服薬量Xと血清濃度Yとの間には高度の相関がみられ,平均服薬量におけるPBの血清濃度/服薬量比(Y/X)は,9.73であった。
以上の所見に基づいて,てんかん患者に対して薬物療法を行なうにあたって,抗てんかん薬の血清濃度を測定する臨床的意義とその問題点について考察した。
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