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文献詳細

雑誌文献

精神医学21巻4号

1979年04月発行

文献概要

研究と報告

神経遮断剤惹起性遅発性ジスキネジアに対するCyproheptadineの効果の二重盲検法による検討

著者: 越野好文1 山口成良1 倉田孝一2 細川邦仁3

所属機関: 1金沢大学医学部神経精神医学教室 2福井松原病院 3富山医科薬科大学神経精神医学教室

ページ範囲:P.421 - P.426

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 不活性プラセボーを対照薬として,CHDの薬剤性遅発性ジスキネジアに対する臨床効果を二重盲検法で比較した。
 対象は精神病院入院中の慢性患者42人で,年齢・性別およびジスキネジアの重症度を組み合わせて,2人で1組とし,21組作った。各組の一方にCHD,他方にPLを無差別に割りつけた。各群のジスキネジアの重症度は「高度」4人,「中等度」9人そして「軽度」8人であった。薬剤は4週間投与した。4週後に,CHD群では2段階の改善を示した例(+2)が3人,1段階の改善を示した例(+1)が11人で,不変は7人であった。PL群では十2はなく,+1が7人で,不変が12人であった。悪化例が1人,脱落例が1人みられた。すなわち,CHDはPLに比べて,ジスキネジアに対して,有意な抑制効果を示した。重篤な副作用はみられなかった。
 CHDのジスキネジア抑制効果は,薬物投与中のみにみられることが多く,CHD中止後も抑制効果が持続した例は少なかった。また,4週間の投薬期間中に,最初みられた抑制効果が次策に失われた例があった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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