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文献詳細

雑誌文献

精神医学21巻8号

1979年08月発行

文献概要

研究と報告

内因性精神病と主要組織適合抗原

著者: 宮永和夫1

所属機関: 1群馬大学医学部精神神経学教室

ページ範囲:P.859 - P.865

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I.はじめに
 現在まで,内因性精神病(以下精神病と略す)の成因1,9)について数多くの仮説が提示されているが,明確な答は出されていない。ここに述べる主要組織適合抗原(HLAと略す)は,主として,移植免疫学の分野で研究発展をとげ2),現在では難病をはじめとする種々の疾病への関連性が明らかにされてきたものである。
 精神病とHLAの関連性については,すでに1974年のCazzulloら12)以来,いくつかの報告が行なわれているが,現在のところ,抗原性の相違があり,未だ完全な一致をみるに至っていない。
 一方,今日まで日本人において,HLAと精神病との関連性の有無を論じた報告はない。われわれは,現在までの諸外国の報告と自験例を比較検討しながら,精神病の免疫説および,HLA抗原の存在する第6染色体上の精神病発症の誘発または抑制遺伝子の存在可能性を提示したいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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