文献詳細
研究と報告
幻覚・妄想を伴ったPickwick症状群の1例
著者: 磯野五郎1 星昭輝2 久場川哲二1 田村喜三郎1
所属機関: 1大泉病院 2慶応義塾大学精神神経科
ページ範囲:P.991 - P.998
文献概要
睡眠過剰(hypersomnia)20)を呈する代表的疾患にnarcolepsyとPickwick症状群(PWSと略す)がある。前者には多彩な精神症状が随伴することが知られているが10,11,24),PWSに関しては性格特徴が報告されているのみで,3,6,21,23),少なくとも本邦においては,精神障害と判断されるような精神症状を伴った例は未だ報告されていない。海外においても,われわれが調べた範囲では,幻覚(幻視)を伴ったGuillerninaultら6)の例の他には夢中遊行様のエピソードが報告されているにすぎない4,6)。
今回,われわれは幻聴や関係・被害念慮などの異常体験を伴ったPWSの1例を経験したのでポリグラフとともに報告し,若干の考察を試みたいと思う。
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