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文献詳細

雑誌文献

精神医学21巻9号

1979年09月発行

短報

分裂症様の精神症状と意識障害を伴った卵巣腫瘍の1例

著者: 海老原英彦1 松田ひろし1 八島章太郎1 三室泉1 木村章1

所属機関: 1東京医科大学精神医学教室

ページ範囲:P.1007 - P.1009

文献概要

I.はじめに
 内分泌疾患は,症状精神病の原因疾患としてしばしば取り上げられ,Bleuler. M. はendokrines Psychosyndrom1)という概念を提唱している。しかしこれまでの報告例をみると精神症状を惹起しやすい内分泌疾患は,下垂体や甲状腺あるいは副腎の疾患が多く,性腺疾患,特に卵巣腫瘍に伴う症状精神病の報告は少ない。この趨勢は,最近出版された成書2,3)にも記載がないということからも窺うことができる。
 最近われわれは,精神分裂症の緊張病型に類似した精神症状をもって発病し,やがて意識障害に陥り,その経過中に卵巣腫瘍の介在が疑われ,開腹手術による卵巣腫瘍の摘出とともに精神分裂症様の精神症状と意識障害が消褪した1例を経験した。分裂症様の精神症状と意識障害を伴う卵巣腫瘍の報告例は珍しいと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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