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研究と報告
運動対象物に対する大脳誘発電位と眼球運動の研究—正常人と慢性分裂病患者の比較—第1報 眼球運動
著者: 武内広盛1
所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.53 - P.60
文献購入ページに移動 抄録 現在仮に精神分裂病と呼ばれる一群の人達の基本障害解明への道は,遠く険しい。
ここでは従来すでに報告の多い慢性精神分裂病患者の水平方向滑動性眼球運動に加えて,跳躍性眼球運動,一点を固視する時の自発性跳躍眼球運動も記録し,正常人と患者とで此較検討した。陰極線管のスポットを水平方向に正弦,三角および矩形波で,連続的並びにランダムな間隔でスクリーンの中央部から一波長分だけ単発的に往復運動させ,これを追尾する時,スポットが動いてもスクリーンの中央部を固視する時およびスクリーンの中央部に停止するスポットを固視する時,それぞれの眼電位図を記録した。正常人は,連続・単発ともいずれの波形でも滑動性,跳躍性眼球運動が円滑であり,患者では眼電位図の最大振幅の0.2〜0.3倍の高さの跳躍性運動の重畳が多い。固視時の左右方向自発性眺躍運動の出現は,正常人では少なく,患者は視角3゜を越える者が多い。
ここでは従来すでに報告の多い慢性精神分裂病患者の水平方向滑動性眼球運動に加えて,跳躍性眼球運動,一点を固視する時の自発性跳躍眼球運動も記録し,正常人と患者とで此較検討した。陰極線管のスポットを水平方向に正弦,三角および矩形波で,連続的並びにランダムな間隔でスクリーンの中央部から一波長分だけ単発的に往復運動させ,これを追尾する時,スポットが動いてもスクリーンの中央部を固視する時およびスクリーンの中央部に停止するスポットを固視する時,それぞれの眼電位図を記録した。正常人は,連続・単発ともいずれの波形でも滑動性,跳躍性眼球運動が円滑であり,患者では眼電位図の最大振幅の0.2〜0.3倍の高さの跳躍性運動の重畳が多い。固視時の左右方向自発性眺躍運動の出現は,正常人では少なく,患者は視角3゜を越える者が多い。
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