icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻1号

1980年01月発行

研究と報告

非てんかん群,未治療のてんかん群,治療中のてんかん群の血清,髄液の葉酸

著者: 松永啓介1 植田清一郎1 中野哲男1 中沢洋一1 久原一男2 無敵剛介3 津田英照3

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科学教室 2久原クリニック 3久留米大学医学部麻酔科学教室

ページ範囲:P.61 - P.65

文献概要

 抄録 てんかんの治療に用いる抗けいれん剤,特にDiphenylhydantoin,Primidone,Phenobarbitalの副作用の一つとして,比較的最近になって葉酸の欠乏が注目されている。本研究では非てんかん患者18例の血清,髄液葉酸値,未治療のてんかん患者14例の血清葉酸値,治療中のてんかん患者19例の血清,髄液葉酸値をそれぞれ比較検討した。治療中のてんかん患者の葉酸は未治療のてんかん患者より血清葉酸値について有意に低く,非てんかん患者より血清,髄液葉酸値についてともに有意に低かった。また,非てんかん患者の血清葉酸値と未治療のてんかん患者のそれとは有意の差がなかった。以上の結果からDiphenylhydantoinなどの抗けいれん剤の服用によって血清および髄液の葉酸が低下することを確認し,文献的な考察を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら