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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻1号

1980年01月発行

研究と報告

てんかん患者の精神活動に及ぼすClonazepam投与の影響—離脱症状を呈した症例を中心にして

著者: 金子善彦1 木下潤2

所属機関: 1藤沢市民病院神経科 2神奈川県総合リハビリテーションセンター精神神経科

ページ範囲:P.67 - P.75

文献概要

 抄録 clonazepamは抗けいれん剤として使用されているが,他のbenzodiazepine系薬物と同じようにさまざまな副作用を現わしうる。
 視覚発作と自律神経発作をもつ31歳女性のてんかん患者にclonazepamを6mg投与したところ軽躁状態を来し,投薬中止により焦躁感・易刺激性・錐体外路症状などの離脱症状を呈した。この自験例について考察するとともに,本邦においてすでに発表済みの17論文中の783例について,clonazepalnがてんかん患者の精神面や行動面にどのような影響を与えるかを集計・検討し考察を試みた。
 clonazepamによって新たに出現した精神症状の78%は,精神活動の亢進・外向・不安定化傾向を示していた。既存精神症状が変化したものの90%は改善であり,その73%は,精神活動の亢進・外向・不安定化傾向を示している症状に対しての静穏化であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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