文献詳細
特集 日本精神医学と松沢病院
都立松沢病院創立百年を記念して
文献概要
筆者に与えられた課題は日本精神医学研究史であるが,そのすべての面にわたってこれを総括することは困難であり,筆者の能力を超える問題である。周知の如く,明治の頃の日本精神医学研究は主として東京大学精神病学教室のおかれていた巣鴨病院において行なわれ,以後も東大・巣鴨育ちの学者が全国に散ってその地の精神病学の中心となった。この巣鴨の精神病学の研究方法の主体は神経病理学であったという事情もある。そこで本稿では,松沢病院の100年祭を記念して,神経病理学を中心とした巣鴨・松沢の精神医学研究を述べよう。
ここであらかじめお断わりしたいのは,巣鴨・松沢病院の研究といっても,昭和24年までは松沢病院長は東大教授兼任であり,始めの頃は東大精神病学教室が巣鴨病院の中におかれたという特殊な事情もあって,初期のものは東大精神病学教室の研究と区別することは困難なので,両者を一緒にして述べる。
ここであらかじめお断わりしたいのは,巣鴨・松沢病院の研究といっても,昭和24年までは松沢病院長は東大教授兼任であり,始めの頃は東大精神病学教室が巣鴨病院の中におかれたという特殊な事情もあって,初期のものは東大精神病学教室の研究と区別することは困難なので,両者を一緒にして述べる。
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