文献詳細
古典紹介
Albert Pitres—Etude sur l'Aphasie chez les Polyglottes (Revue de medecine. 15:873-899, 1895)—第2回
著者: 渡辺俊三1 佐藤時治郎1 一之瀬正興2
所属機関: 1弘前大学医学部神経精神科 2弘前大学教養部
ページ範囲:P.1101 - P.1112
文献概要
話しことばの理解--患者はフランス語およびガスコーニュ方言で言われたことはすべて完全に理解した。しかし,イタリア語,スペイン語,英語,アラビア語で言われたことは何も理解せず,最も日常的で最も簡単な文章,たとえばGood morningとかCome sta ellaでさえも理解しえなかった。しかし,彼の前でこれらの言語のうち一つを使うと,英語かイタリア語かアラビア語で話されたことは判別しながらも,その意味は全く理解していなかった。
単語と音の復唱--フランス語,アラビア語,英語などの単語の復唱は,彼の前で発音してみせると難なくできた。全然,意味のない,またいかなる慣用語句でもない音でも,同じように復唱できた。
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