文献詳細
特集 Butyrophenone系抗精神病薬の臨床精神薬理学
Neurolepticsの薬理作用について—中枢dopamine系の構造と機能を中心として
著者: 高折修二1
所属機関: 1京都大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.1128 - P.1133
文献概要
中枢神経系における化学伝達物質候補としてacetylcholine,dopamine,noradrenaline,adrenaline,serotonin,GABA,glycine,glutamic acid,taurineおよびいくつかの活性ペプチドがあげられている。そのうち,catecholamine含有細胞の局在様式が明らかになったのは,ホルムアルデヒドガスを用いて組織内の微量のcatecholamine螢光を同定する方法がFalck and Hillarp(1962)により発見されて以来のことである。この従来の方法に加えて,Björklundたち(1972)により開発されたグリオキシル酸螢光法,合成酵素を指標とした免疫組織化学法,3H-プロリンを用いたオートラジオグラフ追跡法およびhorseradish peroxidaseによる逆行性追跡法などにより,中枢dopamine,noradrenalineおよびadrenaline系の構造はかなり詳細に判明してきた。ここでは,haloperidolなどneurolepticsの薬理作用を解明する上において基礎となる中枢dopamine系の構造と機能についての最近の成績をのべる。
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