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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻11号

1980年11月発行

文献概要

特集 Butyrophenone系抗精神病薬の臨床精神薬理学

Neurolepticsの小児精神障害に対する臨床効果およびその副作用についての検討

著者: 成瀬浩1

所属機関: 1国立神経センター

ページ範囲:P.1201 - P.1210

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I.はじめに
 小児精神科領域においては,種々の原因による行動異常・精神症状に対し,多種の薬物が用いられており,しかも多くの場合antipsychoticsがbehavior depressantとして使われている。ただ,これらの薬物は成人における経験にもとづいて使用され,成人での使用量を減少させるだけで,小児精神科領域に応用している現状である1)。この状況が好ましくないことは明らかであろう。ただ小児におけるヒト試験は,種々の倫理的な問題を伴うことが多く,このために客観的な薬物の効果判定が行ないにくいのである2)。殊にわが国の場合には,この傾向が目立っていた。われわれはこの問題の改善のため,小児行動評価研究会を組織し,小児の行動異常に対する薬物の効果判定の研究を行なって来た3,4)
 今回はハロペリドール(以下Hと略)と,diphenylbutylpiperidine誘導体pimozide(以下Pと略)を,各種の小児精神障害児に使用し,二重盲検法による客観的な効果判定を行なった経験4)について述べると共に,この研究に伴って,われわれが特に留意した点と,その対応について説明したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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