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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻11号

1980年11月発行

特集 Butyrophenone系抗精神病薬の臨床精神薬理学

Haloperidolと錐体外路性副作用

著者: 風祭元1

所属機関: 1帝京大学医学部精神科

ページ範囲:P.1225 - P.1228

文献概要

I.はじめに
 Haloperidol(以下Hp)によって代表されるbutyrophenone系化合物によっておこる副作用のうちで,発現頻度がもっとも高く,臨床的にも重要なものはparkinsonism,dystonia,akathisiaなどの錐体外路症状(以下EPS)であろう。
 抗精神病薬によっておこるEPSは,患者にとってはかなり辛い副作用で,時には拒薬の大きい原因となることもあるので,その予防と治療は臨床的に重要であり,また,その発現に関与する機序を解明することによって抗精神病効果の本態を理解する上でさまざまな示唆を得ることができるものと考えられる。
 Butyrophenone系薬剤によるEPSの発現率については,これまで無数の報告がある。たとえばわが国で行なわれた48編のbutyrophenone系薬物の臨床治験報告(open study)を要約した酒井と木下1)によれば,表1に示すようにbutyrophenoneの投与により18.2%にakathisia,24.8%にakinesia,8.9〜49.0%にparkinsonism,13.3%にdystoniaがそれぞれ認められている。
 ここでは薬原性EPSに関する最近のいくつかのトピックをとりあげてみることにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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