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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻11号

1980年11月発行

特集 Butyrophenone系抗精神病薬の臨床精神薬理学

Syndrome Malin

著者: 荻田和宏1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.1229 - P.1237

文献概要

Ⅰ.序
 向精神薬の稀ではあるが重篤な副作用の一つに悪性症候群syndrome malin(以下SM)があり,1960年来仏語圏中心に症例報告がなされている1〜11)。SMは向精神薬投与と関連した持続性高熱,錐体外路系を中心とした神経症状,自律神経系のdysfunctionに起因すると考えられる重篤な心・循環系症状を呈し,ときに致死性である。本邦では1974年の筆者らの症例報告12)に続いて相当数の報告13〜35)があり,最近では,米国においてもSMに対する関心が高まって来ている26〜32)
 butyrophenone系薬剤ではhaloperidol(以下HPD)が特にSMを惹起しやすいと言われている。本稿では,本邦報告例を中心として,HPDの本症発症への関与度,HPDのみに特有の症状,経過,転帰などが認められるか否かなどの点に留意しながら,本症候群全般を概説した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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