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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻12号

1980年12月発行

巻頭言

内村祐之先生の言葉に寄せて

著者: 土居健郎1

所属機関: 1国際基督教大学

ページ範囲:P.1260 - P.1261

文献概要

 以下に記すのは,去る七月十八日午後,私が下落合の御自宅をお訪ねした時,内村先生がお話し下さった言葉の数々である。私はこの春東大をやめてから先生のところに御挨拶にうかがいたいと思っていたが,その頃御気分がすぐれないとお聞きしていたし,私もいろいろ用事が重なって,とうとうこの日になってしまったのである。
 先生はこの日椅子に坐り上体を前にのりだすようにして前方を見つめながらお話しになった。お顔がいくらか腫れぼったい感じがしたし,話のテンポも以前に比べておそかったが,一語一語は極めて明瞭で,話されることがどれもぴたっときまっていた。私ははじめ奥様から,話をすると先生がお疲れになるので,面会は10分ほどにしてほしいと注意されていた。しかし先生が話し続けられたので私は10分では立ち上れなかった。きっとその倍の20分はお邪魔したのではないかと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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