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研究と報告
精神分裂病者の知覚—均しい強度と間隔の反復音刺激に対する主観的体験の評価
著者: 有泉豊明1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学精神神経科教室
ページ範囲:P.1333 - P.1342
文献購入ページに移動 抄録 分裂病者の知覚過程に正常者からの偏倚が認められることは古くから知られており,今日まで多くの研究が行なわれてきた。
著者はこの分裂病者における知覚過程の特性をさらに明らかにするため,次のような実験をこころみた。すなわち,分裂病者36名,正常者21名を対象とし1.5秒間隔,1.0秒間隔,0.8秒間隔の全く均しい強度と間隔の反復音刺激を,それぞれ2分間ずつ与えつづけた。そして,その反復音刺激に2拍子とか3拍子とかの,あるまとまりのあるリズムや拍子を感ずるか否かに関し評価させた。
その結果,分裂病者は正常者と比べ,その反復音刺激にまとまりのあるリズムや拍子を感ずると評価する者が有意に少なかった。
著者は分裂病者では外界刺激を過度に忠実に知覚してしまう傾向が存在するため,こうした結果が得られたのであろうと解釈した。
著者はこの分裂病者における知覚過程の特性をさらに明らかにするため,次のような実験をこころみた。すなわち,分裂病者36名,正常者21名を対象とし1.5秒間隔,1.0秒間隔,0.8秒間隔の全く均しい強度と間隔の反復音刺激を,それぞれ2分間ずつ与えつづけた。そして,その反復音刺激に2拍子とか3拍子とかの,あるまとまりのあるリズムや拍子を感ずるか否かに関し評価させた。
その結果,分裂病者は正常者と比べ,その反復音刺激にまとまりのあるリズムや拍子を感ずると評価する者が有意に少なかった。
著者は分裂病者では外界刺激を過度に忠実に知覚してしまう傾向が存在するため,こうした結果が得られたのであろうと解釈した。
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