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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻12号

1980年12月発行

研究と報告

「占い遊び」を契機として発症した心因性精神病について

著者: 渡辺雅子1 榎本貞保1 松本啓1

所属機関: 1鹿児島大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.1343 - P.1348

文献概要

 抄録 幻覚妄想状態や憑依状態は,精神分裂病以外の病態においてもあらわれることが知られている。その代表的なものとしては,森田の「祈祷性精神病」があげられ,これまでに精神病理学的にあるいは文化精神医学的に考察が重ねられている。
 われわれは最近,「こっくりさん」,「キューピット」などの占い遊びを契機として幻覚妄想状態,人格変換,夢幻状態,憑依状態などを呈した思春期女子8例を経験し,「祈祷性精神病」と同一線上にある心因性精神病としてとらえることができた。その個人的社会的背景としては,患者の知的レベルの低さ,および,患者をとりまく学校や家庭の状況,特に養育者の迷信的態度がその発症要因として重要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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