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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻2号

1980年02月発行

文献概要

特集 向精神薬をめぐる最近の諸問題 巻頭言

特集にあたって

著者: 大熊輝雄1

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.112 - P.113

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 薬物療法が精神科治療に導入されて以来すでに二十数年を経過し,向精神薬療法は精神科医療において欠くことができない治療法として定着しつつある。しかし,向精神薬療法の対象である精神分裂病や躁うつ病などの本態,とくにその生物学的側面が十分に明らかになっていないこともあって,薬物療法はまだ対症療法の域を出ていないといえよう。それゆえに,向精神薬療法は,これまで長い間にわたって積み重ねられてきた多くの臨床経験を通して,あるいは薬物の作用機序などに関する神経薬理学の進歩によって,たえず書きなおされつつあるといってもよいと思う。
 とくに向精神薬療法の基礎領域の研究は最近かなり早いテンポで進展している。また新しい向精神薬の開発はたえず続けられており,従来開発された向精神薬の作用や副作用についての情報も集積されつつある。したがって,われわれはたえず現在の時点で最も正確な知識と将来への展望を持ちながら,臨床や研究に従事することが望ましいであろう。このような意味で,今回の「向精神薬をめぐる最近の諸問題」のような特集は,今後もかなりひんぱんに行なわれる必要があろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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