文献詳細
特集 向精神薬をめぐる最近の諸問題
巻頭言
文献概要
薬物療法が精神科治療に導入されて以来すでに二十数年を経過し,向精神薬療法は精神科医療において欠くことができない治療法として定着しつつある。しかし,向精神薬療法の対象である精神分裂病や躁うつ病などの本態,とくにその生物学的側面が十分に明らかになっていないこともあって,薬物療法はまだ対症療法の域を出ていないといえよう。それゆえに,向精神薬療法は,これまで長い間にわたって積み重ねられてきた多くの臨床経験を通して,あるいは薬物の作用機序などに関する神経薬理学の進歩によって,たえず書きなおされつつあるといってもよいと思う。
とくに向精神薬療法の基礎領域の研究は最近かなり早いテンポで進展している。また新しい向精神薬の開発はたえず続けられており,従来開発された向精神薬の作用や副作用についての情報も集積されつつある。したがって,われわれはたえず現在の時点で最も正確な知識と将来への展望を持ちながら,臨床や研究に従事することが望ましいであろう。このような意味で,今回の「向精神薬をめぐる最近の諸問題」のような特集は,今後もかなりひんぱんに行なわれる必要があろう。
とくに向精神薬療法の基礎領域の研究は最近かなり早いテンポで進展している。また新しい向精神薬の開発はたえず続けられており,従来開発された向精神薬の作用や副作用についての情報も集積されつつある。したがって,われわれはたえず現在の時点で最も正確な知識と将来への展望を持ちながら,臨床や研究に従事することが望ましいであろう。このような意味で,今回の「向精神薬をめぐる最近の諸問題」のような特集は,今後もかなりひんぱんに行なわれる必要があろう。
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