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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻3号

1980年03月発行

研究と報告

抗てんかん薬治療中止の問題—長期発作抑制後の発作再発例による考察

著者: 福島裕1 小林弘明1 本間博彰1

所属機関: 1弘前大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.279 - P.285

文献概要

 抄録 抗てんかん薬治療中止の問題は,てんかんの治療と予後に関する研究のうちでも最もたち遅れた分野と考えられる。その治療中止の基準については,いくつかの成書がそれについて触れているが,それらが満足すべきものでないことは,Juul-Jensen,Holowachら,Oller-Daurellaら,その他の研究結果によっても明らかである。著者らは,治療により10年間以上発作の抑制をみている症例24例と10年間以上の発作抑制後に(なお治療中であるにもかかわらず)発作の再発をみた3例の計27例を,研究対象(10年間以上の経過観察例175名)のなかに見出し,発作再発例の症例報告とともに,その臨床的特徴を長期発作抑制例24例のそれと比較した。さらに,文献的考察を加え,長期発作抑制後の発作再発例(いい換えれば,治療中止に慎重でなければならない症例)の特徴の一つとして,けいれん性疾患の家族歴・既往歴を有する大発作型てんかんがあげられると結論した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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