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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻4号

1980年04月発行

研究と報告

登校拒否症の長期予後

著者: 福間悦夫1 井上寛1 沢真教2 波根督明2 栂矗2

所属機関: 1鳥取大学医学部神経精神医学教室 2島根県中央児童相談所

ページ範囲:P.401 - P.408

文献概要

 抄録 登校拒否症と診断された小,中,高校生108名を対象に,社会的予後を追跡調査した。調査は,保護者へのアンケート郵送や電話などにより行ない,92名についての情報を得た。把握率は85%,経過観察期間は7年8月から18年8月(平均11年6月)であった。1)結局登校しないままに終っていたのは92名中6名(7%)に過ぎず,大半のものが何とか学校を終えていた。2)高校進学率は53%で地区の平均より低く,進学後中退したものも多かったが,高校卒業者の大学・短大等への進学率は49%で,地区の平均を上まわっていた。3)学校を終えたのちほとんどのものが就業していたが,全体に工員や調理師,運転手など現業労働者の占める率が高かった。4)現在の社会適応は,59名(64%)が良好な状態にあり,18名(20%)がいくらかの問題,10名(11%)が著明な問題をもち,5名(5%)が精神分裂病に罹患していた。5)予後に関係する因子についても触れた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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