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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻4号

1980年04月発行

研究と報告

精神症状を発現した透明中隔腔およびベルガ腔症例について

著者: 木村健一1 山里景祥1 茅野淑朗1 松橋道方1 阿部完市1 今井良輔2 尾原義悦2 溝口藤雄2

所属機関: 1浦和神経サナトリウム 2済生会川口総合病院脳神経外科

ページ範囲:P.409 - P.420

文献概要

 抄録 透明中隔腔およびベルガ腔は,前者が15世紀,Sylvius以前に認められ,後者は1851年Andrea Vergaが最初の剖検例を報告している。前者は単なる間隙として認められることは少なくないが,時として嚢胞様の拡大を示し,後者とともに第5,第6脳室と呼称されることもある。嚢胞の症状はあまり特徴がなく,文献によく記載されているものは,頭痛,意識障害,けいれん発作,嘔吐,眩暈,言語障害,歩行障害,精神症状などである。以前は臨床的にP. E. G,V. E. Gによって見出される比較的まれな症例であったが,CT検査の普及によってより容易になってきた。
 われわれの実施した頭部CT検査1,414名中,上記両者の児出された21名のうち,精神症状の発現した6名についてその臨床症状を検討し,脳器質性精神病の一つとしての透明中隔腔嚢胞(およびベルガ腔)の臨床的意義および内因性精神病との異同を論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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