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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻5号

1980年05月発行

特集 睡眠研究—最近の進歩

身体疾患と睡眠障害

著者: 片山宗一1

所属機関: 1獨協医科大学神経内科

ページ範囲:P.501 - P.508

文献概要

I.はじめに
 疾病は夜間睡眠中にも休むことなく進展するが,睡眠の経過に伴う自律神経機能あるいは体液性因子の分泌動態の変化によって,その症状が大きく変容を受けることがある。その極端な場合が古くから,夜間の発作性疾患として内科領域で知られているものである。代表的な疾患として,循環・呼吸器領域では夜間心臓喘息,夜間狭心症,不整脈,気管支喘息,消化器疾患では十二指腸の夜間痛,逆流性食道炎の胸痛,また神経疾患では周期性四肢麻痺,restless legs syndrome,群発頭痛などの血管性頭痛,脳血栓の夜間発症などがある。夜間睡眠中には,自律神経トーヌスが睡眠段階に応じてtonicに変化し,とくにREM睡眠期にはautonomic stormといわれるほどの大きな変動がみられ,このほかに体動,呼吸,外来刺激その他によりphasicな変化が生じ,これらが心・血管系,呼吸器,消化管,泌尿器など広汎な自律神経機能に大きく影響するものと考えられる。本論文では代表的な夜間発作性疾患として夜間狭心症を中心に,その病態生理を述べ,次いで上記の他の疾患についても概観したい。
 また身体疾患による睡眠障害も不眠症の一因として重要な問題であり,同時に取り上げることにする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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