icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻5号

1980年05月発行

特集 睡眠研究—最近の進歩

睡眠,夢と精神病

著者: 中沢洋一1 大川敏彦1

所属機関: 1久留米大学医学部精神神経科

ページ範囲:P.517 - P.523

文献概要

Ⅰ.精神病の睡眠
 1.精神分裂病の睡眠
 精神分裂病は発病の初期や,精神症状が悪化すると睡眠障害を伴うことが多い。それが精神症状によって二次的に生じたものか否かの判定は困難なことが多いにしても,精神分裂病の病態生理が不明の今日においては,その睡眠ポリグラフィー的研究を試みる価値はある。
 また,夢と精神分裂病の体験的世界の類似性も昔から多くの臨床家によって指摘されているが,REM睡眠の発見で夢の客観的,生理学的な研究の扉が開かれるようになって,精神分裂病の睡眠ポリグラフィー的研究が進められたという側面もある。たとえばFisher1)は精神分析学的な立場から,精神病や精神分裂病の症状は,REM睡眠が覚醒期に侵入した結果生じたという仮説を提唱した。彼は,精神分裂病では内在性のREM pressureが増加しているか,あるいはREM pressureに抵抗するエゴの弱体化があるのだと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら