icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻6号

1980年06月発行

文献概要

巻頭言

思いつくことなど—再び「まちなかの臨床医」として

著者: 久山照息1

所属機関: 1湊川病院

ページ範囲:P.592 - P.593

文献購入ページに移動
 この巻頭言に「まちなかの一精神科医として」と拙文を書いて9年になる。いわゆる70年代のはじまりであった。いまここで時代的考証をしようとは思わないし,まだまだそのころのことが80年代に入って,きっぱり分け,峻別することはできないまま続いているので,回想することもできないが,「まちなかの医者」として「日常性」を大切にしようと考えていたことを書いたと思う。もちろん,人に聞いてもらうような提言ではないと断っていた。いま再びまちなかの臨床医としての思いつきを述べるのも,前と同じである。
 敢えていうならば,わたしの仕事は「ふれあい」を,なにか診察とか,相談とか,私の臨床医としての役割,それも「まちなか」の一精神病院の勤務医としての仕事の中での出会いを大切にしてゆくことである。診断ということはけっしてそうではないのに,レッテル貼りに終っている事実を現在もなお知らされている。それはたしかに精神科医の診療が忙しくて,あるいはたくさんの患者をこなさざるを得ない情況に追い込められてそうなるのか,あるいはレッテルを貼りつけて,あとは薬を飲ましておけばよいと確信しているのか,よくは分らない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら