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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻6号

1980年06月発行

研究と報告

宮城県沖地震に伴う障害児の反応

著者: 白橋宏一郎1 横山奎吾2 谷津久子3 畠山博4 木村成道5 目黒保伯6 小野寺たみ6

所属機関: 1国立仙台病院精神科 2仙台市心身障害者相談センター 3仙台市鶴ケ谷養護学校 4仙台市立東六番丁小学校 5宮城教育大付属養護学校 6仙台市立荒町小学校

ページ範囲:P.625 - P.638

文献概要

 抄録 宮城県沖地震後,自閉症児51名,精薄児29名,ダウン症児25名,一般学童222名,総計327名を対象に,地震時ならびにそれに伴う状況変化に対する反応の実態をアンケートにより調査した。
 その結果,不安,恐怖反応が各群の児童に共通してみられたが,一般学童では低学年児に,また精薄児,ダウン症児にも顕著な反応がみられたが,とくにダウン症児に顕著であった。しかし,この3群間には程度において違いがあるとしても,反応の内容や拡がりに質的差異を見出すことはできなかった。一方,自閉症児の反応には,他群の児童と等質とみなされるもののほかに,異なった表出を示すもの,自閉症の心理機制を前提におかなければ理解し難いもの,さらに自閉症の主要症状そのものがみられたり共存し特異な反応を示した。
 おわりに,災害時における障害児への対処のあり方について私見を述べた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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