icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻7号

1980年07月発行

特集 Brain Function Testへのアプローチ

言語学の立場から

著者: 神尾昭雄1

所属機関: 1静岡大教育学部

ページ範囲:P.725 - P.727

文献概要


 一般にBroca型の失語症患者の発する文は,英語の場合,文法的要素が脱落したものが多く,Broca型の失語症は統語構造に関する欠陥であるとされている。しかし,Mary-Louise Kean3〜5)は,最近の音韻理論,特に音韻語(phonological word)の概念に基づいて,Broca型患者の発話は,音韻面に関わる障害であると主張している。
 たとえば,しばしば指摘される(1)のような文でのbe動詞の脱落は,(1)の口語形(2)から,接辞化され前の名詞の一部と化した—'s(〔s〕〔z〕〔Əz〕)が脱落したものと考えられる。ここで注目すべきことは,この—'sのような要素は,英語の文の強勢の決定には無関係であることである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら