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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻7号

1980年07月発行

研究と報告

パーキンソン病の精神医学的研究(Ⅰ)—310例のアンケート調査結果を中心に

著者: 山田幸彦12 富田邦義1 小川俊樹3 飯塚礼二1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室 2朝霞病院 3茨城大学保健センター

ページ範囲:P.729 - P.747

文献概要

 抄録 310例のパーキソン病患者を対象として,1)15項目から成る質問紙表,2)情意徴表検査,3)うつ病本人用質問紙表によるアンケート調査を行ない,以下の結果を得た。1)性差は認められない,2)体格は細長型が多い(49.7%),3)特定の信仰や酒,煙草などの嗜好に乏しい,4)単身又は配偶者のみの生活を営むものが4割,5)趣味は,屋内で非運動的,一人でできるものが選ばれる,6)平均発症年齢は55.1歳(男52.6歳,女57.1歳),7)発症により離職の場合が多い,8)約6割は1年以内に受診している,9)症状の自覚は硬さ>震え>日常の生活や動作>言葉,話しの順に深刻で,特に硬さに対する苦悩が強い,10)心理的には,特に身体無力と自己顕示が病者を特徴づけている,11)抑うつは内因性うつ病の病像と異なる,12)ほとんどの者は治療継続中であったが「著効」は僅かに13.5%である,13)治療効果は情意徴表の結果と関連する傾向が認められた。以上の結果につき若干の考察を行なった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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