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抄録 われわれは,26例の精神分裂病を対象として,新しい抗精神病薬Zotepineの臨床効果ならびに安全性について検討し,以下のような結果を得た。全般改善度は68%で,しかも大半の例で2週以内に効果発現が認められた。1日至適用量は150〜300mgの範囲で,鎮静作用と抗幻覚妄想作用において改善度が高く,比較的広いスペクトルを示した。12例(46.2%)において副作用を認めたが,投薬中止となった3例(流涎2例,不整脈1例)を除いては,いずれも軽微なものであった。脳波およびプロラクチン分泌反応に及ぼす影響の検討からは,本剤のもつ抗精神病作用の薬理学的裏づけが得られ,とくに後者からはChlorpromazineとほぼ同等のclinical potencyをもつことが示唆された。
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