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文献詳細

雑誌文献

精神医学22巻8号

1980年08月発行

研究と報告

胃・小腸手術後に発来したペラグラ精神病の4症例

著者: 塚田浩治1 薄田祥子1 馬場肝作1 金山隆夫1 長谷川まこと1

所属機関: 1新潟大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.857 - P.864

文献概要

 抄録 過去に胃または小腸手術の既往を持ち,術後5〜24年過ぎて意識混濁を主とする精神症状を発来した4例についてその経過と臨床像並びに治療内容を述べた。またこれらの3例は臨床像と治療面から,他の1例は剖検と臨床像よりペラグラ精神病と診断し,いわば"二次性ペラグラ精神病"ともいうべきこれらの症例について,診断上,身体症状の有無に依存しがちであることや,胃・小腸手術がニコチン酸欠乏を来し得ること,発症に至るまでに肝障害や食欲不振が誘因として存在すること,症状上の特徴に抑うつ状態や意識鮮明に見える時期があることなどについて考察し,意識混濁を主とする精神症状の発来者の既往に,胃または小腸手術がある場合は,ペラグラ精神病をも念頭において,診察治療がなされるべきことを述べた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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