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研究と報告
岐阜県東南部の分裂病患者に生じた妄想内容について
著者: 高橋隆夫1
所属機関: 1岐阜大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.937 - P.945
文献購入ページに移動 抄録 昭和45年以前に発病した,岐阜県東南部の分裂病患者たちに生じた妄想内容の整理を行なった結果,以下のような特徴が得られた。
1)“地域共同体”と密接に関連している内容が,最も顕著に認められた。
2)“時代”と関連づけて考えられるのは,“電波体験”や“機械による操作”が多かった点である。また,誇大妄想や想依妄想の内容的な稀薄化も,“時代の推移”と関連して考えられた。
3)“世代”とのかかわりでは,“ケネディ大統領”,“テレビ”などが,戦後育ちの患者たちのみに認められた。また,“被毒体験”は年配者の方に多く見られた。
4)男性に比して,女性の方が“より身近かな存在”を妄想内容にとり入れるという傾向が目立った,また,“血のつながり”という主題も女性に優位であった。
5)心気妄想では,“具体的な疾病”が述べられているものは見い出せなかった。
1)“地域共同体”と密接に関連している内容が,最も顕著に認められた。
2)“時代”と関連づけて考えられるのは,“電波体験”や“機械による操作”が多かった点である。また,誇大妄想や想依妄想の内容的な稀薄化も,“時代の推移”と関連して考えられた。
3)“世代”とのかかわりでは,“ケネディ大統領”,“テレビ”などが,戦後育ちの患者たちのみに認められた。また,“被毒体験”は年配者の方に多く見られた。
4)男性に比して,女性の方が“より身近かな存在”を妄想内容にとり入れるという傾向が目立った,また,“血のつながり”という主題も女性に優位であった。
5)心気妄想では,“具体的な疾病”が述べられているものは見い出せなかった。
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