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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻1号

1981年01月発行

研究と報告

自閉症児における精神運動発達の特徴—第1報:乳幼児精神発達質問紙標準得点のプロフィール

著者: 栗田広1 清水康夫1 太田昌孝1

所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.15 - P.24

文献概要

 抄録 Rutterの診断基準に合致する7歳以下の自閉症児111例で,乳幼児精神発達質問紙の5領域の発達プロフィールを,発達年齢,性比の釣合った正常児および,暦年齢,発達年齢,性比の釣合った精神遅滞児の2群と比較検討した。自閉症児は両対照群児より社会,言語の発達が劣る。探索も両対照群児より劣るが,社会,言語ほどではなく,精神遅滞児との差は少ない。運動発達は精神遅滞児より優れ,正常児には劣るが,その差は最も少ない領域である。生活習慣の発達は運動に次いで正常児との差が少なく,得点と暦年齢の相関は最も高い領域で,精神遅滞児のそれより高く,正常児にも劣らない。5領域平均発達年齢/暦年齢×100と定義したDQは,発達の指標として意味をもち,最も自閉症らしい発達プロフィールは暦年齢で4歳半以上,DQ 50以上でみられ,暦年齢が上ると社会を除き,発達プロフィールは精神遅滞のそれに近づく傾向がある。質問紙法は自閉症の発達評価と診断に,一定の有用性を持つ。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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