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小児の無熱性けいれん(Ⅰ)—臨床的,脳波学的,追跡的研究
著者: 角南健1 坪井孝幸1
所属機関: 1東京都神経科学総合研究所遺伝学部門
ページ範囲:P.25 - P.33
文献購入ページに移動 抄録 無熱性けいれんを主訴とする1,977名のうち初診時5歳以下,初回脳波検査を5歳以下で受けた292名(C群)を対象として,各要因の分析と,熱性けいれんから無熱性けいれんへの移行群(初診時5歳以下)119名(FCC群)との比較を行った。
C群の発作型は大発作が過半数を占め,発作の初発年齢は0歳が最も多く,加齢とともに減少する。各発作型にはそれぞれ好発年齢がある。棘波脳波異常が53%に出現し,外因が37%に,精神発達の遅れが24%に認められた。1親等近親者の4.1%にけいれんの既往があり,多因子遺伝の可能性が示された。予後不良群(発作が消失しない22名)には,発作型の重複,脳波異常,発作反復10回以上,精神発達の遅れが,予後良好群(3年以上の発作抑制を示す96名)には,速やかな発作の消失が,それぞれより多かった。C群とFCC群には,発作の初発年齢分布以外には,差のないことが示された。
C群の発作型は大発作が過半数を占め,発作の初発年齢は0歳が最も多く,加齢とともに減少する。各発作型にはそれぞれ好発年齢がある。棘波脳波異常が53%に出現し,外因が37%に,精神発達の遅れが24%に認められた。1親等近親者の4.1%にけいれんの既往があり,多因子遺伝の可能性が示された。予後不良群(発作が消失しない22名)には,発作型の重複,脳波異常,発作反復10回以上,精神発達の遅れが,予後良好群(3年以上の発作抑制を示す96名)には,速やかな発作の消失が,それぞれより多かった。C群とFCC群には,発作の初発年齢分布以外には,差のないことが示された。
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