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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻1号

1981年01月発行

研究と報告

てんかん患者の電解質異常(Ⅰ)—抗てんかん剤とくにアセタゾールアミドの血清電解質と臨床症状に及ぼす影響

著者: 武井満1 関章司2 石川信義2 福田稔3

所属機関: 1東京都立府中療育センター 2三枚橋病院 3群馬大学医学部神経精神科教室

ページ範囲:P.35 - P.42

文献概要

 抄録 てんかん患者の血清電解質を検索し,低Ca,低Na,高Cl血症をみとめた。低Ca血症についてはディフェニールヒダントイン,フェノバルビタールが原因薬剤として推定され,ビタミンD2とCa剤の投与を行なって血清Ca値の変動を持続的に観察したが,充分に正常安定化することはなく,てんかん患者の低Ca血症についてはビタミンD2の不足以外の要因も考えられた。低Na,高Cl血症についてはアセタゾールアミドが原因薬剤として推定されたことから,アセタゾールアミドの中止を行ない臨床症状の変化を観察した。その結果臨床発作と精神身体の発育に著しい改善がみとめられた。またアセタゾールアミドの急激な減量ないし中止によって,一過性でかつ同時に血清Na値の低下と血清K値の上昇がみとめられたことから,アセタゾールアミドの抗てんかん作用と,抗てんかん剤の断薬における発作多発の機序とについて考察し,抗てんかん剤は漸減が重要であることを強調した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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