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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻1号

1981年01月発行

文献概要

研究と報告

側頭葉焦点を示したSpike-Wave Stuporの1例

著者: 小穴康功1 手塚隆夫1 八島章太郎1

所属機関: 1東京医科大学精神神経科

ページ範囲:P.43 - P.49

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 抄録 臨床症状として20数回のfugue,発作後もうろう状態時の身ぶり自動症,二次性強直間代発作が出現し,側頭葉焦点を示したspike-wave stuporの脳波変化を経時的に観察した。
 症例は26歳男性,spike-wave stupor出現時の脳波所見は2〜3Hzの多棘・徐波,棘・徐波の突発性律動波が全汎性に出現した。7日後にはほとんど正常化したが,21日後には断薬により2〜5Hzの不規則多棘・徐波複合が出現,その後,左・側頭中部棘波を認めた。2年後の発作後もうろう状態時の脳波所見は5〜6Hzのθ波,3Hzのδ波,鋭・徐波,棘・徐波が混在して出現した。以上の観察から,spike-wave stuporの中には側頭葉症状を示す症例が存在することがわかり,さらに加療の過程で,棘波成分の少ない徐波成分を主としたもうろう状態が出現したことも注目された。spike-wave stuporの病因論として,中心脳起原説,皮質起原説に関する考察を行なった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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