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文献詳細

雑誌文献

精神医学23巻1号

1981年01月発行

文献概要

研究と報告

Sodium Valproate血清濃度の日内変動及び抗精神病薬の影響

著者: 斉藤幹郎1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.51 - P.57

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 抄録 広い治療スペクトルを持つ抗てんかん薬sodium valproateの血清濃度を他の抗てんかん薬や抗精神病薬併用例を中心とする14名の患者で測定して,1)早朝服薬前に最低値,19時前後に最高値を認め,その高低比は全例平均で2.58±0.93,眠前投与を含む眠前群で1.76±0.32,非眠前群で2.51±0.83,日中分3投与群で2.58±0.93の値を得て,眠前群に日内変動の小さい傾向を認めた。そしてこれらの原因を短い半減期によると推定した。2)抗精神病薬併用群が非併用群に比し有意に高いL-D ratioを示した。
 以上のことによりsodium valproateの血清濃度を評価する場合,採血条件を厳密に定め,早朝服薬前の最低値を中心に検討する必要及び抗精神病薬を含む併用薬とのlnteractionを考慮する必要があると考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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